2024年の年初に掲げた目標の一つが、年内3回は東京の実家に帰ることでした。
でも、年明け早々に帰ろうと思っていたのに大きな地震に遭遇してしまいました。
直接的な被害はなかったけれど、やはり気持ちが削がれてしまって延期。
桜が咲く頃になって、ようやく「帰らなくては」と思い実行に移すことができました。
気がつくと約一年振の帰郷です。いつもの通りカメラを3台持ってのお散歩旅です。
東京のひとは東京っていわない
生まれてから約30年を東京で過ごしました。仕事も10年以上しました。
30歳を少し過ぎて、東京を離れて初めて地方都市に住んだときに、東京の人はめったに東京といわないことに気がつきました。
それにはいろいろ理由があるのだろうけれど、それは「その必要がないから」に集約されるのでしょう。
たぶん同じような理由で、ニューヨークに住む人はニューヨークと言わないし、パリに住む人もそうなのではないでしょうか。
それが当たり前だから、です。
東京といえば?
東京といえば?そう尋ねると、好きな映画はなんですか?と同じくらいに答えがバラつきます。
中には、あえて人と違うことを言おうとする人もいます(自分がそれ。たぶん好きな映画についても同じ傾向があります)
今回は、中の上くらいのベタさ加減で、ふたつのコンテンツを選びました。
自然と人工、郊外と都市、そんな対比も楽しめたらいいなと。
あと、こどもの頃に連れて行ってもらったことがある、とか、懐かしのデートコースであるとか、そんな隠し味もあったら最高に楽しそうです。
高尾山は遠足の定番
東京で小学校の遠足の大定番といえば高尾山でしょう。
少なくとも多摩地区に住む人たちには異論はないはずです。
自身も少なくても数回、もしかしたら10回以上登っているような気もします。
今回は最も定番で平易な1号路を歩くことにします。
何年振りかわからない
何回も登ったことのある高尾山ですが、実は一人で登るのは初めて。
ですが、高尾山はミシュランの観光ガイドにも掲載されていることもあって、とにかく人が多いです。
一人で登っていても、常に視界には誰か別の人が入り込みます。
静かの山道を一人で黙々と歩く…、高尾山では、そんなことはできません。
高尾山口駅前にある京王高尾山温泉極楽湯でひと風呂浴びて1日目は終わり。
お散歩デートの定番
地方に移り住んで感じたのは、都市生活のほうが歩くんだな、ということ。
駅まで徒歩、乗り換え、駅から職場まで徒歩、お昼ごはんも徒歩だし、帰りに寄るコンビニだって徒歩。
は?何言ってるの?そんなの当たり前でしょ?と思ったあなたは都会民です。地方(郊外)民はこの「徒歩」部分が全て車です。
お散歩デートを提案したら、ちょっと怪訝な顔をされるのが地方(郊外)生活です。歩いて行ける範囲にデート的なコンテンツはほとんどありません。
地名のマジック
原宿から青山まで歩いた。有楽町から銀座まで歩いた。麻布から六本木まで歩いた。
これは、ほぼ郊外のイオンの中を端から端まで歩くのと変わらないか、むしろそれらより近いくらいです。(そうなのであれば、イオンはお散歩とも言える)
山手線を横断したところで、せいぜい6、7km、歩いても2時間かからないくらいです。都会民なら歩けます。
原宿駅を起点にいろいろなところに向かって歩いた記憶があります。
今はなき外苑西通りのスタバは人生で初めて行ったスタバだし、表参道のバンブーは何度も通ったし、紀伊國屋は二階建てなのにエレベーターがあって、エレベーターガールがいたことも知っています。
その中でもお気に入りだったのが、東京タワーを目指して歩くことでした。
東京タワー
この日も原宿駅から東京タワーまで歩きました。
表参道から麻布、六本木を抜けて芝公園まで。
結局、東京タワーからは増上寺を抜けて浜松町駅まで歩きました。
scrap and build
東京を歩いていると、その変化のスピードに驚かされます。
数年前の記憶を頼りに歩くことは、むしろ危険なことだと感じました。
景色が変わりすぎて、「あのとき目印だったあれ」は、もうすでにない可能性があります。
再訪なのに初めて訪れるような気がするのが東京でした。
明らかに自分自身の変化より、街の変化のスピードが速いです。
半分と、それ以外
ものごころがついてからの生活は、もうすでに東京とそれ以外の街が同じくらいの時間を持つようになりました。
半分は東京で、もう半分が仙台だったり鹿児島だったり、この北陸の地であったり。
もう東京で仕事をすることはないだろうと、帰ってくるたびに感じます。
時間の流れるスピードや諸々の風の強さが、今の自分の価値観とはかなり乖離がある気がします。
今となっては「住むところじゃないよな…でも、遊びに行くところでもない気がする」そんな感じです。
じゃあなんなんだよ?と問われると、生まれ育ったところ、親が住んでいるところ、そんな感じで括ることになります。
変わっていく街と変わっていく自分と変わらないものたちがあります。
きょうも、そらのいろを思い出せる1日に
使用機材
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
歩き旅には小さいカメラは正義です。
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